Tegoprazan

概要

2023年10月16日更新

Tegoprazanの読み方は「テゴプラザン」である。
カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB:Potassium-Competitive Acid Blocker)と呼ばれる新しい作用機序の胃酸分泌関連疾患治療剤。
「胃食道逆流症(GERD:gastroesophageal reflux disease)」の治療薬として現在の第一選択薬であるプロトンポンプ阻害剤(PPI)とは異なるメカニズムで、PPIよりも速やかにかつ持続的に胃酸分泌を抑制する。
PPIでは十分に胃食道逆流症の症状が改善されなかった場合でも改善効果が期待される。

GERDは、食道粘膜障害を有する「びらん性胃食道逆流症(ERD: Erosive Reflux Disease、または、びらん性食道炎(EE: Erosive Esophagitis)、または、逆流性食道炎(RE: Reflux Esophagitis))」と食道粘膜障害の認められない「非びらん性胃食道逆流症(NERD: Non-Erosive Reflux Disease)」を含む。

Tegoprazanは、韓国において「ERD」と「NERD」を適応症として2019年3月1日から販売している。その後、胃潰瘍、"消化性潰瘍と慢性萎縮性胃炎の患者でのヘリコバクター・ピロリ除菌のための抗生物質併用療法"も適応症として追加された。

P-CABとしてNERDの適応症承認取得は、tegoprazanが世界初である。

クロピドグレルの相互作用、アトルバスタチンの相互作用などの臨床試験も行っている。

化合物コード RQ-00000004 [ラクオリア創薬]
IN-12420 [HK inno.N]
LXI-15028 [Luoxin Pharma]
BLI5100 [Braintree Laboratories]
一般名 Tegoprazan
販売名 韓国:K-CAB
中国:泰欣赞
メキシコ、ペルー:Ki-CAB
インドネシア:TEZA
主適応症 胃食道逆流症(GERD)(ERD/NERD)
胃潰瘍
消化性潰瘍と慢性萎縮性胃炎の患者でのヘリコバクター・ピロリ除菌のための抗生物質併用療法
開発状況 日本:フェーズ1終了
米国:フェーズ3実施中
韓国:販売中(2019年~)
中国:販売中(2022年~)
モンゴル:販売中(2022年~)
フィリピン:販売中(2022年~)
ベトナム:2023年販売予定
シンガポール:販売中(2023年~)
インドネシア:販売中(2023年~)
タイ:2023年販売予定
マレーシア
メキシコ:販売中(2023年~)
ペルー:販売中(2023年~)
中南米15か国
ブラジル
インド、南アフリカ、アジア・東欧5か国(※3)
導出状況 日本:ライセンス活動展開中
北米・欧州・東アジア(日本以外)・東南アジア・ROW ※1:HK inno.N
HK inno.Nが以下で再導出
米国・カナダ:Braintree Laboratories
中国:Luoxin Pharma
モンゴル:Monos Pharma
フィリピン:Metro Pharma Phils
ベトナム:Lynh Pharma
シンガポール:United Italian Trading Corporation (UITC)
インドネシア:Kalbe Farma
タイ:Pond's Chemical Thailand R.O.P.
マレーシア(製剤供給契約):Pharmaniaga Logistics
メキシコ、中南米16か国(※2):Laboratorios Carnot
ブラジル:Eurofarma Laboratórios S.A.
インド、南アフリカ、アジア・東欧5か国(※3):Dr. Reddy's Laboratories
市場規模 ラクオリア創薬の資料を参照

※1 ROW:中南米(メキシコ、ブラジル等)、東欧(ロシア含む)、中東
※2 アルゼンチン、コロンビア、ペルー、チリ、エクアドル、ウルグアイ、パラグアイ、ボリビア、ベネズエラ、ドミニカ共和国、グアテマラ、ホンジュラス、ニカラグア、コスタリカ、パナマ、エルサルバドル
※3 ロシア、カザフスタン、ウズベキスタン、ウクライナ、ベラルーシ

競合製品

2019年12月9日更新

胃食道逆流症(GERD)の領域では、アストラゼネカのPPIである「ネキシウム」が2017年現在、世界で1番売れている。

2019年現在、販売されているP-CABは、韓国で販売されている「テゴプラザン(Tegoprazan)」、「レバプラザン(Revaprazan)」と日本で販売されている武田薬品工業の「ボノプラザン(Vonoprazan、日本販売名:タケキャブ、化合物コード:TAK-438)」である。
レバプラザンは、酸抑制が従来のPPIよりも優れていないため、競合品として無視して良いと考えられる。

ボノプラザンが2019年5月現在承認を取得している国は、日本、マレーシア、フィリピン、シンガポール、韓国、台湾、タイである(参照)。
また、2019年5月15日に武田薬品は、米国、欧州、カナダでのボノプラザンの独占的開発・販売権をPhathom Pharmaceuticals社へ許諾したことを発表した(参照)。

2018年6月20日現在、P-CABを開発中のその他の企業の一部を以下に示す。

  • 大熊製薬(韓国)
    化合物名:DWP14012(Fexuprazan)
  • 第一薬品(Jeil Pharmaceutical)(韓国)
    化合物名:JP-1366
  • Cinclus Pharma AG(スウェーデン)
    化合物名:X842

ラクオリア創薬は、全てのP-CABを対象とする特定の関連特許を保有しているため、もし他のP-CAB製品がその特許の権利に関わった場合は、ラクオリア創薬は権利を主張することができる。

Tegoprazanの韓国の院外処方実績推移


年別院外処方実績(億ウォン)
2019年 2020年 2021年 2022年
309 761 1096 1252

タケキャブの売上高推移


年度売上高(億円)
2015年度 2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度
84 341 485 582 727 848 1024

※ 各年度における売上高の計算について
2015, 2016年度:グロスベース(値引・割戻等の控除前)の売上高
2017年度以降:ネットベース(値引・割戻等の控除後)の売上高

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